レーズン / Raisins

image

トルコの国土の大半を占めるアナトリア半島は、ブドウの生育に最適な気候の地域に位置しており、ブドウ栽培においては地域深く根ざした古い歴史があります。考古学の発掘調査で、アナトリアのブドウ栽培は紀元前3,500年まで遡ることが分かっています。また、考古学上の発見により、アナトリアのヒッタイト帝国時代にはブドウとワインが重用され、紀元前1,800~1,550年にはブドウ園が非常に発達し、ブドウは宗教儀式において神への供物として用いられたり社交に使われたりしていたことが明らかとなりました。ヒッタイトの人々はブドウ園と果樹園を守るために、今日と同基準の農法を用いていました。アナトリアで栽培されるブドウは、歴史を通じて、生食または干しブドウとして食されるとともに、一部はジャムや糖蜜、果肉、ロクム(ゼリー状の伝統菓子)、ワインなどに保存加工されます。

朝食、デザート、薬として


高カロリーでミネラル豊富、栄養価が高い干しブドウには、様々な用途があります。干しブドウは、もちろん単体でも時間帯を選ばず美味しく楽しく食べることができる食品ですが、朝食のシリアルやデザート、また料理などに使っても、独特の風味を加えることができます。干しブドウはケーキやクッキーなどのお菓子に使われるのはもちろん、健康への効用もあるため、製薬業界でも活用されています

健康と食欲のために


干しブドウはたんぱく質と炭水化物が豊富で、鉄、リン酸塩、カルシウム、その他のミネラル、ビタミンA、B1、B2、B6、Cを含みます。カルシウムは1日の所要量の18%、鉄分は1日の所要量の33%に達するほか、その糖質は吸収されやすいため、エネルギー源としても優れています。干しブドウには食品としての役割の他に、病気の治療や予防に有効な特性もあります。妊娠中の女性や小さい子どものビタミン不足の解消、貧血の予防に良いとされています。また、身体の発達を助け、肌と髪に役立つことが医薬品研究者によって明らかにされています。米国で行われた最新の研究によると、干しブドウは結腸の健康を維持する働きを持つイヌリンという物質を含んでいることが分かりました。

生産


トルコの種無しブドウ生産面積は7万4,600ヘクタールに及んでおり、トルコは世界第2位の生産国です。トルコの伝統的な輸出品である干しブドウは、同国の輸出農産品の中で3番目に重要な位置付けにあります。輸出される干しブドウのほぼ全種類が、種無しブドウです。乾燥に適した球状で品質の良い完熟ブドウを収穫し、エーゲ海の陽光の下で自然乾燥させます。トルコでは1,200種以上のブドウが栽培されていますが、収穫されたブドウの約20%は干しブドウに加工されます。トルコで生産されるブドウの大半は地元の品種。干しブドウには球状で高品質のブドウであることが重要で、干しブドウ生産高の90%を占めます。

栄養成分表
100g中の栄養素
・エネルギー 1276kj/305kcal
・たんぱく質 2.82g
・炭水化物 77.4g
・脂質 0.4g
・食物繊維 4.4g
・ビタミンB1 0.147mg
・ビタミンB2 0.073mg